2022年春夏のトレンドを、星とコレクションから考える
「ここ数シーズン、ほんっとうにトレンドがあまり変わらない…」という声を、もう何シーズンにもわたって周りから聞く。
2018年1月にフィービー・ファイロが〝CELINE〟を去り、同3月に故ヴァージル・アブローが(昨日訃報を見て本当に驚いた・・・!! 故人のご冥福を心よりお祈り申し上げます)、キム・ジョーンズから引き継いで〝ルイ・ヴィトン〟のメンズのクリエイティブ・ディレクターに就任し、ダニエル・リーが〝ボッテガ・ヴェネタ〟に参画し、とハイブランドで大きな動きがあって、早4年近くが過ぎた。フィービーの不在を埋めるかの如く、新生〝ボッテガ〟が快進撃を続け、ファッションアディクトたちはOLD CELINEにつぎ込んできた予算を〝ボッテガ〟の小物と〝THE ROW〟のウェアに二分して消費することでこの3年強をやり過ごしてきた。そして2022年を目前にした今、フィービーが復帰の狼煙を上げ、4月のアルベール・エルバスに次いでヴァージルまでが世を去り、さらにはダニエル・リーが絶頂期の中まさかの退任、というざわつくニュースが続いている。
世界的なファッショントレンド予想としては、たぶん2022年前半は役者、すなわち各ブランドを牽引するディレクター・デザイナーが出そろい、気合いと気概のこもった各々のブランドの新しいクリエイションが一同に会することでトレンドの軸は混沌とするだろう。あれもあり、これもよし、となることや、またそれによって人々が抱くファッションへの夢や理想、イマジネーションが改めてかきたてられることが予想される。これはホロスコープを見ても納得。
では、日本のファッション業界のトレンドは?
各ブランドの展示会が12月に入って本格化する前で、まだ何とも傾向がつかめていない状況ではあるが、ホロスコープを見る限りで考えてみる。
まずは2021年の総括。
大筋では変わらなかったベースとはいえども、2021年で目立ったトレンドとしては
・シアーな素材感
→甘くなくセクシーでもなく、クールでドライ、新機軸のニュアンス
・ピンクやパープル、朱赤、ボッテガグリーンなど
→ネオンカラーに近い、今までになくビビッドなカラー
・ビッグカラーや付け襟
→クラシカルを通り越して超ロマンティック&超モードに攻める存在感
・ヴィンテージ人気
→ファストファッションやベーシック名品にはない1点ものの個性や
時代を超えて魅力を放つ普遍的なアイテムへの訴求の高まり
などが挙げられる。
大衆の気分やトレンドを司る木星が2021年を通して水瓶座を中心に魚座と行ったり来たりしていたことが、ファッションのトレンド傾向でも忠実に反映されていたことが読み取れる。
2022年は、2021年12月29日に本格的に木星が魚座に移行してからの幕開けとなる1年。
まず外せないのは
・パステルカラー
例年のカラーパレットよりぐっとくすみやベージュのニュアンスを払った、ピュア度や透明感を増したトーンに注目したい。ちょっと柔らかなトーンのカナリアイエローやコットンキャンディのようなブルー、ピンク。
・色でいうともうひと傾向、エナジーチャージ的ボールド(大胆な)カラー
春のまぶしい光のもとでいっそう鮮やかに映える、密度の高い発色のジューシーなオレンジ、ブライトイエロー、マリンブルー。また、それらの色の多色使いのマルチカラーも。
・キラキラスパークル、グリッター、サテンの光沢
夢見るようにきらめく要素を、さらっとデイリーに取り入れられる服が出回りそう。
・クロシェ編み
ほんのりレトロでガーリー、ロマンティックな要素、がキーワード。
キュートで癒される素材感や柄で体を包みたい。
あくまでほっこりせずモードに取り入れたいから、安っぽい素材やチープな縫製のものを安易に選ばないのが大人のルール。
・ローライズボトム
・腰回りにボリューム、ギャザーのあるスカート
・ボディラインを出すコンシャスなシルエット、特にきゅっとしたウエスト!
先シーズンまではボリュームのポイントは襟や袖など上半身だったが、2022年春夏は
ググッと重心を下げて、ウエストマークの位置をアップデートしたい。
体の中心を起点に、全身にエネルギーをバランスよく循環させて。
コレクションを見た限りだと超ミニとかブラトップとかも気になるけど、日本でリアルに着るのはなかなかハードル高いしなー、と、ここでは言及しないことにする。あ、でも、シアーなトップスの下にクールなシルエットのブラトップを仕込んでオーバーサイズのジャケットを羽織る、とかは大人も全然アリ!
明日以降始まる各社展示会で見たリアルな提案と突き合わせてみて、また追記&後追い記事を書きます!