星で究める、私らしさとファッション考

現役ファッションエディターによる、本当に自分らしいおしゃれをホロスコープから探究するブログ。

【似合うネイビー】を星から探す       ~カシミアのネイビー、ウールのネイビー~

自分に似合うと思えたりしっくりくるなと思ったりする色、そして心から頼れるベーシックカラーは、年齢によって本当に変わる。いいとか悪いとかの二元論では全然ない。「加齢による肌のくすみが~」とかの理由でも全然なくて(むしろそんなのどうでもいいし、なんなら加齢バンザイ! の心意気で客観的にとらえたうえで未知の自分を楽しんでいきたいよね)、ニュートラルな見地から、ファッション人生におけるテーマカラーは変遷する。

「似合う色」は移り変わるが、年月を経てまた同じ色が似合うようになる時期が来る。その色のなかでも、似合うトーンやアイテムの幅は意外に若いころと変わらないのかも、と考えている。となると、もしそんな「この色ならこの素材、このアイテムが似合う!」が、もって生まれた星、ひいてはホロスコープで示されているならすごく面白いかも・・・! 

 

2022年春夏のファッションも、水瓶座ムードから魚座ムードへと移り変わるものの、引き続きキレイ色の洪水であるのは間違いなさそう。より魚座っぽいパステルや、クリアでみずみずしいトーンが主軸になるけれど。そこで、色の季節がまた始まる前の端境期である今のうちに、ベーシックカラーの筆頭であり不動のスタメン、また超・個人的に「似合うターンが再びやってきたかも?! I’m Baaaaack!!」と愛が再燃している色、【ネイビー】について、改めて向き合ってみようと思う。

 

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なぜ、ネイビーなのか? 

それは、黒は万能に使えると思われがちだけれど「〝本当に似合う黒〟のアイテムは?」を探すよりも「〝本当に似合うネイビー〟のアイテムは?」を考える方が、格段にファッションの感度と客観性、服を自分に似合わせるスキルが上がるから。自分のファッション遍歴とホロスコープをつき合わせてみたところ、「だから自分にはこのネイビーなのか!」と合点がいった。少々長いが、以下書いてみようと思う。 

 

30歳になるころから後半まで10年近く、完全に「ネイビーの女」だった。

 

大卒後、ファッションエディターとして働き始めてのち独立し、この仕事で生きていくという手応えを必死に得ようとしていた20代、シックに見せたい/大人っぽくありたい/少しでもすらっとスマートな印象を与えたいという理由から、完全に黒に頼ろうとしていた。審美眼と知識のほうが収入よりも肥えてしまい(泣)、その頃の自分が知る限り&できる限り上質なものを、と、背伸びした黒のアイテムを好んで選んでいた。

 

今にして思えば、20代の宝物であるシミくすみが一切ないぷりぷりの肌とか、パンと張った丸みのある頬やバストとか、なめらかなお腹や腿のラインの愛おしさとかを、どうして黒の服で覆い隠してちぢこめ封じてしまったんだろう、とちょっともったいなく思う。けれどあのころは、己の体と心のすべての丸みや膨らみを嫌悪し否定していた。自分を直視できず、中学生のころ雑誌で知った『ジュ・テーム・モア・ノン・プリュ』のジェーン・バーキンのような、白Tシャツとリーバイスが最高に映えて過不足なく美しい中性的な体つきに、相も変わらずずっと憧れ続けていた。

 

生まれ持った自身の個性や体形に、とことんネガティブ。

そんなマインドで選ぶ、消極的な「黒」が似合うわけがない。

 

黒はすべてを受け入れるけど、その反面すべてを塗りつぶし、塗りこめて、没個性にする色でもある。芯のない弱い個性なんて完全に凌駕する。黒という色のパワーを御して自分らしさに引き寄せ、センスよく着こなすためには、着る人の内面の強い意志とエネルギー、感性が必要な色だ。

20代を通して、黒を着ても着てものみこまれ続け、徹底的に打ちのめされた私は黒を諦めた。以降長らく――10年以上――黒に手を出すことはほとんどなかった。代わりにそっと寄り添って、本格的にワードローブを構築する軸となってくれたのはネイビーだった。

事実、私らしくて芯のあるワードローブをつくろう、と憧れブランドにも少しずつながら手を出すようになった30歳以降、どのショップやブランドで相談しても「あなたに似合うのは黒よりネイビーだと思う」とアドヴァイスされた。伊勢丹のマルジェラで決めきれず、旅先の香港で駆け込んだハーバーシティのマルジェラでも黒orネイビーでニットを迷っていたら、ショップのお姉さんに「Navy!」ときっぱり言われ(あの頃は日本で12万のニットが香港なら8万で買えたような記憶が)、CÉLINE(Éが大事♡)でも黒orネイビーでパンツやニットやクロンビーを迷ったら、いつも&どれも「ネイビーのほうがお似合いだと思います」と言われ。リアルブランドでも然り。ドゥーズイエムクラスのボーダーも、黒よりネイビーが似合うと言われた。よし、それならこれから私は「ネイビーの女」だ! と指針が定まった。

 

そうすると、ネイビーという色の奥深さ、奥行きが楽しくてたまらなくなった。

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同じネイビーでも、ダッフルコートはいまいち似合わないけどチェスターコートは似合う。CÉLINEのシャープで辛口なネイビーのクロンビーよりも、より軽やかで自由なたたずまいのエッグクロンビーのほうがもっとしっくりくる。ミリタリーのエッセンスを帯びた、いかにもHYKEらしいウール素材のネイビーニットは大好き。だけど同じミドルゲージなら、クリステン ドゥ ノルドのとろけるカシミア素材のニットのほうが自分っぽいと感じる。同じウール素材のニットでも、ミドルゲージより断然ハイゲージの方が似合う。(そういえばネイビー&CÉLINE沼に足を踏み入れたのは、当時通い詰めていたドゥロワーで、フィービーの1st シーズンでリリースされたハイゲージのネイビーニットにひとめぼれしたのがきっかけだった・・・)。

上質な素材の方が好きだから? かと思うとそうとも限らず・・・。ドリス ヴァン ノッテンの愛してやまないネイビースウェットよりも、ファイナルセールでその1/5くらいのプライスで手に入れたL’ECHOPPE(たぶんFESのときの商材で、NICENESSコラボだったかな?)のメンズサイズで、フチがネオングリーンのでっかい白ロゴが効いたネイビースウェットのほうが、似合う気がする。そしてそれを着ると、ヘアメイク男子や編集の女性など、全方位で褒められる。

 

・・・はい! そんな私のホロスコープは、

●金星天秤座。

=とにかく洗練されたもの、スマートなものを好む。

 だからトラッドなダッフルよりも、キレのあるチェスターがしっくりくる。

 しかもトラッド名品が抜群に似合う山羊座要素が全然目立たないチャートだし。

●その金星に冥王星コンジャンクション。さらに火星も。

=とことん上質なものにどうしても惹かれてしまう。

 ウールよりカシミア、ミドルゲージよりハイゲージ。

 そして好きだと思っちゃったら最後、絶対に手に入れたい(お金が泣&無)。

●太陽獅子座。

=目立つものも意外にすんなりいける。人からも言われるし自分でも思う。

 非常に顔立ちはシンプル、というか慎み深い、というか相当さっぱりめですが。

 でかいロゴだって全然なじむし、なんなら、より自分らしくなる。

    王者とされるサイン故、気負いのない「ラフ」は似合うけど

 正直「カジュアル」はそんなに得意じゃない。

 デニムやチノ、カーゴパンツなどのボトムは全然いけるけど、

 顔周りとかアウターにミリタリーアイテムやチェック柄、

 デニムシャツなどをもってくると、狙ったラフさではなく、ただの手抜きに見える

 (すなわちダウンが本当に似合わないので、極寒の日は震えがち・・・)。

●ASC水瓶座で、そこに金星火星冥王星コンジャンクション軍団がトライン。

=メンズ服やオーバーサイズは似合うし好きだし、似合うって言ってもらえる。

 水瓶座的なネオンカラーが入ってると、さらに顔立ちもくっきり見える気が。

 

あら!

ホロスコープを知った今、ネイビーとの相性をつき詰めると、まさに星に出ていた。

もちろん、体形的なスペックや診断メソッドの結果を加味することで上記のような判断の精度がぐっとあがる。私の場合、

●色=スプリングタイプ(くすんだ&青み強めの藍色っぽいネイビーより、赤みのあるインポートのようなクリアなトーンのネイビーが似合う。素材は繊細でハリツヤのあるテクスチャーが似合うので、ウール<カシミア、ミドルゲージ<ハイゲージ、となる)

●骨格=ストレート

   (肩しっかり、くびれが少なく筋肉質で、体に厚みがあるメリハリボディ。ダッフルだと体の厚みがより増して見えるので、すっきりとしたチェスターの方が合う)

 

ということで、広く浸透しているカラー診断や骨格診断に加え、ホロスコープという視点も組み込んで判断すると、より多角的かつ精度の高い判断ができそうだ。

 

苦手だと思い込んで約10年ものあいだ避けて通ってきた「黒」を克服しつつ&楽しめるようになりつつある今、再び出合ったネイビー。自分のファッション軸をつくるパワフルで愛おしい味方として支えてくれたこの色が、ホロスコープと似合うファッションの相関関係を証明してくれてる! と改めて思ったのでした。