星で究める、私らしさとファッション考

現役ファッションエディターによる、本当に自分らしいおしゃれをホロスコープから探究するブログ。

森 瑤子と山田詠美の世界線が「憧れのはじまり」だと思い出す                ~作家・森 瑤子のホロスコープその1~

ノンフィクション作家の著作が好きだ。

もちろん小説も好きだけれど、年齢を重ねるにつれて、日本の作家に関しては好きな書き手がいっそう、ぐっと、狭くなってきている。

没頭させ耽溺させてくれる作品を、いつもいつも探している。

 

ということで冒頭に戻るが、多くの文学賞等を受賞した『狂うひと 「死の棘」の妻・島尾ミホ』を書いた梯 久美子さんの味わい深いエッセイ『好きになった人』を読んだ。そのなかの「思い出す人」という項で、梯さんの目から描かれた森瑤子さんの描写に惹かれ、数珠つなぎで大好きな評伝『森瑤子の帽子』を、何年かぶりに再読した。

著者であるジャーナリスト島﨑今日子さんは、インタビューの名手として名高い第一人者。『安井かずみがいた時代』『<わたし>を生きる――女たちの肖像』など、何度も読み返すたび心を打たれ感性を刺激される彼女の著作が、私の本棚には何冊もある。

 

中学生、そして高校生と、大人になるよすがとして、ティーンエイジャーの私が貪るように読んだのが山田詠美だった。そして彼女が憧れ愛してやまない存在として繰り返し書いていたのが森瑤子。煌びやかで刹那的で、どこかドライでクール。欲望にこのうえなく忠実でありながら、どこまでも客観的で分析的。

そんな森瑤子作品の数々(超多作な作家ゆえ、本当に!)こそが、「書く人」と「おしゃれをこよなく愛する人」を私の内面で矛盾なく紐づけ息づかせたことを、改めて思い出した。

 

そんな自分の憧れの原点のひとり、作家・森瑤子のホロスコープを読んだ。

[島﨑今日子]の森瑤子の帽子 (幻冬舎文庫)

1940年11月4日、静岡県伊東市生まれ。先述の本、『森瑤子の帽子』では、お母さまが「里帰りした(伊東市の)川奈で長女(森瑤子)を生んだ」という記載があり、それに倣って伊東市川奈生まれ、出生時間不明でネイタルチャートを作成。

 

太陽蠍座、月は生まれ時間に関わらず山羊座

もう、見るからに蠍座を体現しているルックス・・・!!

重厚感のあるオーラ。陽気な華やぎというよりは、いぶし銀のような陰がありながら圧倒的な存在感。

赤い口紅と帽子が彼女--作家・森瑤子の象徴だ、と誰もが口を揃えるという。

見る人逢う人に忘れられない余韻を残すひと、さすがは蠍座だと思わずにいられない。

その太陽は、木星土星のタイトなコンジャンクションとぴったりオポジション

そして月は、木星土星とトライン。

 

対外的には一家の稼ぎ頭というか家長であり、プライベートでもその力、存在感をもつことに矛盾を感じず、よしとしていた。というかむしろ、そういった状態であることが彼女の心の安定をもたらしていたのだとわかる。

そこから、38歳まで3人の子を持つ主婦であったこの星をもつ作家が、デビューするまでどれほどの焦りや渇望感にかられていたのか。自身の著作への投影やエッセイでの度重なる記述を思い返し、さもありなん、と改めて思う。

 

深掘りする蠍座の水星と牡牛座の天王星オポジション。強烈に知性に働きかけるひらめきや発見能力、独自性が、彼女の作品を唯一無二のものにした。そして時間の縛りを超えて書きに書きまくったのも、ここを見れば納得がいく。蠍座の水星は、人の欲望と本能、ひいては真理や真髄を突き詰めるために、天王星=未知の世界の刺激をいかんなく活用した。英国出身のさすらい人を電撃的に夫にし、相容れない夫婦関係に苦悩しつつ死ぬまで結婚を全うしたのも、水星、ひいては太陽を叶えるためにかもしれないとさえ考えられる。


乙女座の海王星も水星にセミセクスタイルで、書きまくる水星に夢と職人技を供給した。

 

次回はハーモニクスで、作家の生まれながらの願望や、職業人としての在り方を考えてみる。