星で究める、私らしさとファッション考

現役ファッションエディターによる、本当に自分らしいおしゃれをホロスコープから探究するブログ。

「PRADA」や「JIL SANDER」「THE ROW」が似合う理由【蒼井優さんのホロスコープ】

先日発売された雑誌『SPUR』2022年1月号で、プラダの黒タートルを着た蒼井優さんがまあ可愛くてスタイリッシュで。

そういえば蒼井優(以下敬称略)って、結婚会見で着用していて抜群に素敵だった「Van Cleef & Arpels」(ヴァン クリーフ&アーペル)のイヤリングといい、前述の「PRADA」といい、数あるハイブランドを本当にさらっと自分に似合わせつつ、そのブランドの魅力を引き出す着こなし力に長けた女優さんだと思う。ご本人が本当にファッションを愛し、敬意をもって日々触れているだろうこと、そしてブランドだからといって変に特別視することなく、内面的・精神的な部分で一切の気後れがなく堂々と対峙していることが、どの写真や雑誌、映像からも見てとれる。

 

(仕事上、女優さんやタレントさんにハイブランドを着てもらう機会は多く、またそういった企画のディレクションはコンスタントにやっている立場からいうと、内々のひとりごととして……。蒼井優のように「力で強引に押し伏せて勝つ=自分を立たせる、というよく見る力関係とは正反対のアプローチを取る人/取れる人」、すなわちメゾンの服と共鳴して、パワフルな服と自身の均衡が完全にとれた状態で堂々と着こなしたうえで、ファッションとして表現できる人は、ほんっとーーーーーーに(寛容に言っても)ほとんどいないのだ)

 

ということで、彼女のホロスコープを見てみた。

 

以前取り上げた綾瀬はるかさんと同じ(!)1985年生まれの、太陽獅子座25度。獅子座には太陽のほか、水星&火星のタイトなコンジャンクションがあり、「その人らしさ」を端的に表す個人天体5つ(太陽・月・水星・金星・火星)中、3つが獅子座に集中。生きる目標や意志=太陽、知性・言語・思考=水星+情熱や行動力の発揮であり個性や才能を外部に打ち出す積極性=火星が、獅子座の「表現する/創造する/志す」という性質を帯びている。

 

さらに水星&火星チームが木星と180度、天王星と120度で、シャープでキレのある知性や言語、思考をぐっと拡大させつつ、蒼井優ならではの個性や自分らしさの純度を高めて冴え冴えと際立たせ、外へ外へと打ち出していくアスペクト。まさに表現者向き、かつ芸能人らしいホロスコープ

 

自然体でハイブランドをまとい、さらっと自分のものにできるのは、やはり太陽獅子座ならでは。ちなみにハイブランド=「権威、揺るぎない名品」という側面からとらえるなら山羊座的、「王道、本物(他者の評価を必要としない〝絶対〟)」ととらえるなら獅子座的。その獅子座太陽に蠍座土星のスクエアが現実性と重みをもたらし、派手なだけ/華美なだけに陥らないよう鍛錬してくれる。不動宮×不動宮の重厚なスクエアが、獅子座の太陽の輝きを揺るぎないものにしている。また、獅子座ならではの圧倒的な「華」に土星がストイックさやコンサバティブな刺激を与えているので、彼女には禁欲的なハイネックやタートルネックもとても似合うし、けっして地味に見えずに持ち前の「華」が際立つ。

「ジル サンダー」や「ザ・ロウ」など、抜群の華と存在感がありながらクリーンで、どこか余裕というかリッチな抜け感が垣間見える〝浮足立っていないモードなハイブランド〟がぴたっとハマる理由。それは、獅子座太陽と土星のスクエアの恩恵がとても大きいと思う。もし華やかでクリエイティブな獅子座太陽に土星の重さが効いていなかったら、土星の節度あるシルエットやクリーンなたたずまいがどうも物足りなく見えるだろう。だけど蒼井優の場合は「ジル サンダー」や「ザ・ロウ」をまとうとき、それらのブランドを貫くストイックなまでの美学が、かえって彼女の獅子座太陽の強い輝きをいっそう増している。

 

その土星とトラインをとる金星は蟹座。しっとりと潤って細やかな感情やセンスに満ち、情の深さや愛らしさをもつ蟹座の金星が、彼女の魅力や女性性を司る

(ここでの「女性性」とは生物学的、社会的な役割としての性別ではなく、女性の中には男性性=能動性や行動力があり、男性の中にも女性性(受動性や受け止め力がある、という意味)。

さらにその金星に、土星がしっかりと形を与えている配置。

先述した、山ちゃんとの結婚会見で彼女が着用していたヴァンクリのイヤリング「フリヴォル」は、いわば〝究極の(ハイブランドだからね)、大人のための愛らしさ〟の結晶。非常に蟹座的だなーと思う。さらに蟹座といえば、蒼井優のスタイリングで「うわ、すご! めちゃ引きがある!」と思ってクレジットを見ると、スタイリストは山本マナさんであることが多い。直接存じ上げないが、山本さんご自身のファッションや誌面でつくるスタイリングは情緒豊かでチャーミングでガーリーな印象、だけどはずむようなアクティブさや、鮮やかなほどの取捨選択の潔さも感じる。めちゃめちゃおしゃれなんだけど、そのモード感は決してドライでも尖ってもいなくて親しみやすいムードを湛えている。そう、山本マナさんのスタイリングにもまた「非常に洗練を極めた蟹座」的ムードを感じる。

蒼井優がそんなアイテムやスタイリング志向を好み、またそれが似合うのは、金星蟹座のエッセンスの効果ゆえ。さらに単なるガーリーや愛らしさではなく〝大人の〟という形容詞をもたらすのが、土星とのアスペクト。トラインなので社会的な視点、成熟したニュアンスをあたえることで金星をより輝かせている、ともいえそう。だから彼女には「PRADA」や「MARNI」、ギヨーム・アンリ率いる「PATOU」は似合うけど、そこから円熟味や安定感を引き算したスウィートな「MIU MIU」の人じゃないんだよなー。

 

出生時間が不明なので月は乙女座か獅子座なんだけど、乙女座っぽいかな? と個人的には感じる(月=プライベートの顔だから、ご本人の身近にいない以上は断定も予測もできないけど…)。

 

ホロスコープとファッション」における通論としては、現在のところ

アセンダント=似合う

・金星=好き、自分の好み

・月=着ていて落ち着く

という3要素(&それぞれのアスペクト)を掛け合わせて…という見解が主流。

 

けれどやっぱり、ファッションにおいても太陽星座は避けて通れないと思う。というかむしろ一周回って、いちばんの軸は太陽。身の周りのおしゃれラバーやファッションのプロたちの太陽星座やチャートを見るにつけ、そのことを日々心底実感する。あっ、でも、金星の「この服、好き♡」という嬉しい&楽しいマインドで服を着るっていうのは、その人らしさに服のほうを引き寄せるための大事なポイントだから、金星はもちろん大事。だけど自分らしさを託すスタイルの要を枝葉末節を見てそれらに委ねるくらいなら、まずは太陽を見よう。(出生時間がわかればもちろんアセンダントもマスト!)

 

そして個人的には「客観的に似合うファッション」に限定するならば、月星座を見るのは後回しでいいと考えている。自分のパワーチャージができるインテリアを考える際にはぜひ見るべきだけど。まずは太陽と金星のアスペクトと、2天体含めそこに関わる惑星すべてのサイン! 「自分が落ち着く・自分らしいと思えるファッション」を探すなら、2天体の軸に加えて月も考慮したいところだけど…。

 

「ファッションとは〝いちばん外側にある内面の表現〟である」

 

というコンテクストに則って考えるなら、自己表現への切なる意志や欲求を生まれながらに内在させている獅子座太陽の人々にとっては特に、その身にまとうファッションは「自分はどう生きるか」を他者に示す原始的な表現であるとともに、自分の存在意義を確かめる有効な手立てだ。ココ=シャネルといい、イヴ・サンローランといい、自分の名を冠したメゾンを設立し、その名のもと世に送り出したファッションを通してドラマティックな自己表現を叶えるとともに、自分の生きる意義を見出し高らかに世に知らしめた双璧ともいえるデザイナーたちの存在と生きざまも、その現れのひとつ。

 

話がずいぶんととっ散らかってしまったが、似合うファッションやその人らしいスタイルを見出すためにはやっぱり太陽、超大事! という見解をまたひとつ確かめられた、個人的考察でした。